不動産を上手に売るコツ
地元で長年に渡りオーナー様の信頼に応え続けてきました。これまでの経験を元に、不動産を上手に売るコツをまとめました。
不動産業界ではよく「1000に3つ」と言います。
家を売りに出したとき、1000人お客さんが来たらようやく3つ売れる程度、という意味です。それくらい、家やマンションなどの不動産物件を売るというのは確率が低いのです。
持ち家を3,000万円で売りたいと考えている売り主様がいるとしましょう。この売り主様が、持ち家を上手く売るには3つのコツがあります。
コツその1 経験豊富な不動産会社と、適切な販売価格をつけましょう
3,000万円で売りたいと不動産業者に持ち込んだ場合、その価格で売りに出してくれる業者さんもいます。その価格では高すぎるので、2,500万円にしましょう、と言う業者さんもいます。もっと高く売れますよ、という業者さんもいるかもしれません。
売り主様の心情としては、3,000万円で売りたいと不動産業者に持ち込み、3,000万円あるいはもっと高い販売価格(見積り)を出してくれた業者さんにお願いしたい気持ちになるでしょう。そのために、比較見積りを出してくれるサービスもあります。
しかし、その値段設定は本当に妥当でしょうか?
不動産の見積り額は、必ずしもその値段で売れるとは限りません。売り主様の注意を引くために、無理やり高い見積り額を出す業者もいます。不動産会社にとって、売り主様はお客様です。どうにか自分の会社から売りに出してもらいたいのです。ご希望額では売れないな、と思っていても、売り主様の言い値でまずは売りに出してくれる業者も多いでしょう。そしてチラシを2,3回入れてしばらく販売した後にこう言われます。
「売れないようなので、値段を下げてみましょう」
こうして値下げをしながら何度もチラシが入った物件は、買い主様もよく見ています。値下げを何度も繰り返すと、売れ残りの物件に見えてしまい、買い手が付かなくなります。業者のあいだでは、こうした物件は「さらしもの」と呼ばれています。
最近のお客さんは、売りに出されている物件を本当によく知っています。
インターネットが普及し、売り物件の情報が簡単に検索できますし、同じ物件がいくつもの業者さんから出されていることも多いです。家を買いたいと考えている人は、こうした情報をとにかくよく見ているので、よその物件と比較して魅力的な条件の物件には問い合わせが殺到します。
不動産物件と言うのは、全く同じものは2つとしてありません。ですので、電化製品などとは違い定価は付けられません。それでも常日頃物件を見ている業者さんであれば、見た瞬間に妥当な条件か、そうでないか分かります。経験豊富な「業者の目」というのは、現在の市場の雰囲気や相場とだいたい合致するものです。
5,000万で売って欲しいと持ち込まれた物件がありました。しばらくして、4,000万で買いたいというお客様が来ました。業者の目から見れば適正な価格だと思ったのですが、売り主様はもっと高く売れると頑なに売られなかったそうです。そうこうしているうちに、そのお客様は飛んでしまい、それ以降は4,000万でも売れなかったらしいのですが、こうしたケースは珍しくありません。
売り主様のご希望はもちろん優先されるべきですが、売れなければ1円にもなりません。経験や市場の相場に基づいて、適切な販売価格で提示してくれる不動産会社を見つけましょう。
コツその2 不動産会社とは、適切な媒介契約を結びましょう
不動産物件を不動産会社に売ってもらう場合、媒介契約を結びます。媒介契約には、以下の3種類があります。
専属専任媒介契約型式
依頼者は、物件の売買または交換などを、契約した会社以外の業者に重ねて依頼することができません。
依頼者は、自ら発見した相手方と売買または交換の契約を締結することができません。
専任媒介契約型式
依頼者は、物件の売買または交換などを、契約した会社以外の業者に重ねて依頼することができません。
依頼者は、自ら発見した相手方と売買または交換の契約を締結することができます。
一般媒介契約型式
依頼者は、物件の売買または交換などを、契約した会社以外の業者に重ねて依頼することができます。
依頼者は、自ら発見した相手方と売買または交換の契約を締結することができます。
売り主様としては、どの形式が最も良いでしょうか?
依頼した業者以外は販売できず、契約した一社のみが販売を担当してくれる専属専任や専任媒介でしょうか?それとも、複数の業者が販売して様々な方面から売りをかけてくれる一般媒介でしょうか?
実は、専属専任や専任媒介といった、売り主様にとっては制約が厳しい契約の方が売れやすいのです。なぜでしょうか?
不動産業者の儲けは、媒介手数料です。売り主様の物件を売ることができなければ儲けはありません。そのため不動産業者は、経費や広告費を使って買い主となるお客様を見つけてきます。つまり、売れなければこの費用が無駄になり、赤字になってしまうのです。売れた時にはじめて、それまで使った費用との差引額が利益になります。
一般媒介では、契約してくれた売り主様の物件は、他の業者からも売りに出されるため、業者間の競争になります。一見売り主様にとっては良さそうですが、不動産業者としては、そうした物件に集客などの手間と費用をかけても、他の業者にもっていかれる可能性があります。ひらたく言うと、不動産業者のやる気が低くなるのです。
逆に、他の業者が売れない専属専任や専任媒介であれば、売れば儲けになるのは保証されているため、何としても売ってやろうという気になるものです。
一般的に、こうした媒介契約の期間は3か月間です。その間に売れなければ、他の業者が入ってきたり、売り主様がよそに行ってしまう可能性もあるので、その業者は頑張ってくれるというわけです。
不動産業者には専属専任や専任媒介が好まれ、実際にしっかり頑張ってくれるというのは、頭に入れておいていただくと良いと思います。
コツその3 「客付け」の出来る業者を探しましょう
物件にお客様(買い主様、借主様となる人)を付けることを「客付け」と言います。
適切な販売条件を付けて不動産業者と媒介契約しても、客付けのできない業者は売れません。いわゆる「販売力」というやつです。これには、どれだけその業者が見込み客を抱えているか、が大切になってきます。
大手の不動産業者が見込み客をたくさん抱えている、というのは事実だと思います。家やマンションを探しているお客様は、何社も訪れて探していますし、広告やテレビCMなどで有名な業者さんに足を運ぶ人も多いでしょう。
しかし当社のような地元の不動産屋業者にも、大手業者にはない強みがあります。それは、
長年の経験と地元との繋がりで、実は地元のお客様がたくさんいる、ということです。確かに数では大手業者に敵いません。しかし、地元という特定の地域のみで比べると、どちらが多いかは一概には言えません。
例えばモリオカ商事の場合は、不動産経営の地元の大家さんからのご紹介もあれば、地域の商店や古い付き合いのお客様からの紹介などもあります。こうしたお客様は、インターネットや広告経由の薄いお付き合いではなく、本当に物件を探しているお客様ばかりです。買い主様となる見込みの高い優良な顧客を多く抱えているのは、実は地元の業者さんだったりするのです。
さらに当社の場合は地元に根差した業者として、一度販売のお世話をさせていただいたら一生の付き合いだという気持ちで、アフターケアまでしっかりやらせていただいております。そうしたお客様からの信頼の積み重ねの結果、これまで媒介契約いただいた物件は90%以上が成約しています。
物件販売の際には、こうした地元で長年やっている業者と話してみるのも良い選択肢でしょう。